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RC住宅を検討する際、「カビが生えやすいって本当?」「放射線が出ていると聞いて不安…」と感じている方もいるでしょう。ここでは、RC住宅の健康への影響について解説します。
コンクリートは完全に乾燥するまでに長い時間がかかり、その間ずっと水蒸気を発散させることから、カビが生えやすいと指摘する声もあります。ただ、それを科学的に裏付ける論文などは発表されていません。コンクリートが完全に乾燥するまでに何年もかかるのは事実ですが、カビが生えるほど室内の湿度が高くなるのかについては疑問が残ります。
また、最近の住宅は24時間換気システムが標準で備わっており、計算上は2時間で室内の空気が入れ替わる仕組みとなっています。そのため、もしコンクリートから水蒸気が出ていたとしても、カビが問題になるほど室内の湿度に影響するとは考えにくいでしょう。
RC住宅の室内の湿気が気になるという場合は、コンクリートそのものの問題ではなく、断熱設計がうまくいっていないことで結露していたり、換気システムがうまく稼働していなかったり、などの別の問題によって起こっている可能性があります。
湿気のほかに、コンクリートから発生する放射線について健康への影響を指摘する声も時々あがります。コンクリートには放射線を発するラドンという元素が含まれているため、木造住宅と比べて放射線量が多い可能性はあるかもしれません。
ただ、ラドンはもともと岩石や土に含まれるウランが変化したもので、私たちが普段吸っている空気中や温泉にもラドンが含まれています。そのため、コンクリートにラドンが含まれているからといって健康に悪いとは一概に言えないでしょう。
コンクリートから放射線が出ていたと報じられた事件もありましたが、原発事故の近くの砕石場から採った砂利を使用していたのが原因でした。この事件だけを取り上げてRC住宅の放射線による健康問題を語るのは、科学的根拠が薄いと言えます。
静岡大学農学部で木製・亜鉛鉄板製・コンクリート製のケージを用いてマウスを飼育し、各種材質の居住性について生物学的評価を行ったところ、妊娠率・妊娠期間・妊娠中の実質増体重および産仔数において材質による有意差は認められませんでした。
一方で、乳仔の発育には顕著な差が現れ、木製ケージ内の乳仔が正常な成長を続けたのに対し、コンクリート製および金属製ケージでは成長が著しく停滞し、生存率も低いという結果が出ています。ただ、論文によると材質そのものの問題というよりも、材質との接触でマウスの体が冷えたことにより生存率に大きな影響を及ぼした、としています。
また、同じ静岡大学で行われた別の実験では、床材がコンクリートむきだしの箱だと生存率が低いものの、コンクリートの箱に合板・塗装合板・クッションフロアの床材を使用したものでは生存率に大きな差は見られませんでした。コンクリートに比べて木の箱のほうが生存率が高いのは確かですが、あくまでもマウスの生理的・心理的反応の結果によるもので、人間の健康におよぼす影響を必ずしも説明するものではないとしています。
参照元:[PDF]農林水産省_生物学的評価方法による各種材質の居住性に関する研究(https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010351209.pdf)
参照元:[PDF]静岡大学農学部林産学科_丸山則義_マウスを用いた床材性能評価の試み(http://www.hro.or.jp/list/forest/research/fpri/rsdayo/22944052001.pdf)
RC住宅の健康への影響について指摘される「カビが発生しやすい」「放射線が出ている」という問題ですが、それらを裏付ける科学的な根拠は明らかになっていません。カビの発生についてはコンクリートがどうこうというよりも、断熱施工や設計に問題がないか目を向けるべきです。
RC住宅は、木造に比べて断熱性よりもデザイン性を重視した住宅の比率が高い傾向にあるため、断熱性の低さによる結露のしやすさがRC住宅全体の問題として取り上げられていると考えられます。健康に優しいRC住宅を建てる場合は、RC住宅の断熱工法に詳しい実績豊富な会社に相談すると良いでしょう。