Sunorient
このサイトは 「サンオリエント」をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
目次
住宅を建てる上で知っておきたい知識の一つとして「塩害対策」があります。コンクリートにおいて塩害が発生してしまうと、ひび割れが発生することで建物の寿命が短くなってしまいます。こちらの記事では、コンクリートで発生する塩害の概要と、塩害による影響を抑える方法についてまとめました。
「塩」によって発生する害を塩害といいますが、「コンクリートで起こる塩害」とは、コンクリートの中にある鉄筋が腐食する劣化現象をいいます。鉄筋に何らかの原因によって塩分が付いてしまうと、コーティングの役割を果たしていた膜が剥がれてしまうためにサビが発生します。そうなると、鉄筋の内部が膨張してしまうことでコンクリートのひび割れが起こります。
鉄筋に塩分がつく原因には、セメントの硬化促進のために使用した塩化ナトリウムの量が多かった場合や、潮風などによる外部からの侵入という2点が主なものとして挙げられています。
塩害からコンクリートを守るには、「塩分を遮断して浸透を防ぐ」という点が重要なポイントになってきます。そのためには、表面皮膜工法(建物を塗膜防水剤で覆う工法)や、ひび割れを修復するなどして、侵入を防ぐといった方法が考えられます。
これらの方法は、鉄筋がまだ腐食していない状態の場合や、被害が軽微な状態の時に有効といえます。
電気防食工法は、部材の表面に陽極を設置して鉄筋に防食電流を流す方法です。鉄筋表面の素材と塩の間で化学反応がおき、イオンが移動することがサビの発生原因となっていますが、この動きに逆らうような形で電極を配置し、腐食を抑えていきます。この電気防食工法には「流電陽極方式」と「外部電源方式」の2つが主なものとなっています。
1つ目の「流電陽極方式」は、鉄筋に対してイオン化傾向の大きい金属(アルミニウムや亜鉛、マグネシウムなど)を接続し、それぞれの電位差を利用して防食電力を流します。また、2つ目の「外部電源方式」は、直流電源装置と耐久性電力を使用する方法。腐食した鉄筋を陰極とし、また耐久性電極を陽極として通電を行っていきます。
「流電陽極方式」と「外部電源方式」も、RC造の建物を使用する間は防食電力を流し続けることになります。そのため定期的な点検・メンテナンスが求められます。
コンクリートの表面に対して電解質溶液・外部電極を設置した上で、鉄筋が陰極になるように電流を流します。このことによって、コンクリートの外部に塩分を排出します。
塩害に強い塗料を使用することも、塩害による劣化を防ぐための方法のひとつです。海の近くなど塩害を受けやすいエリアの場合、通常の塗料を使用すると塗膜が早く剥がれてしまい建物の劣化につながります。そのため、フッ素塗料や無機塗料など、塩害に強い塗料の使用がおすすめです。ただし、コストが高くなる点に注意が必要といえます。
また、屋根や窓ガラス、外壁などを掃除することで付着した塩分を除去できます。ただし、屋根の作業は危険を伴うため、必要に応じて業者に依頼するなどの対応を検討してください。
塩害を防ぐことは、RC住宅の劣化を防ぐ上で重要なポイントといえます。いくつか塩害による劣化を防ぐ方法がありますので、長く快適に過ごせる住まいを建てるためにもあらかじめチェックしておくことがおすすめです。建築業者と相談しながら、しっかりと対策を立てていきましょう。