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一見無機質なコンクリート住宅。住み心地がどうなのか、気になる方も多いでしょう。ここでは、「コンクリート住宅に住むと早死にする」という噂について徹底検証。岡山で数々のRC住宅を手掛けてきた、サンオリエントの磯﨑社長の取材協力のもと、詳細を解説します。
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目次
インターネットで「コンクリート住宅」について検索すると、「早死にする」というショッキングな言葉が出てきます。「本当なの?」と気になる方も多いでしょう。1986年に行われた実験をもとに、「コンクリート住宅は木造住宅に比べて早死にする」という説を唱える人がいます。いったいどんな内容なのか、まずは詳しくご紹介します。
マウスを「木製」「金属製」「コンクリート製」の箱に入れ、どの箱のマウスが長生きしたか、という実験を行ったところ、コンクリート製でのマウスの生存率は7%。金属は41%、木製の箱では85%だったそうです。
その原因は、体の熱がコンクリートに奪われる「冷輻射」。体が芯から冷えると免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなり、自律神経の失調なども起こりやすく、寿命を縮めてしまいます。このため、コンクリート住宅に住む人は木造住宅の人より9年早死にしているというのです。
参照元:【PDF】AgriKnowledge「生物学的評価方法による各種材質の居住性に関する研究:マウスの飼育成績による評価」(https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010351209.pdf)
一方で、上記の実験の2年後に、同じ大学が追加実験を行っています。コンクリートの床部分に「合板」「塗装合版」「クッションフロア」を貼ってマウスの生存率を調べたところ、木製の箱のマウスと生存率はあまり変わりませんでした。
にもかかわらず、追加実験の結果はほとんど知られず、いまだに「早死にする」説ばかりが一人歩きしています。 日本では木造の住宅が大半を占め、木造住宅を扱うハウスメーカーや工務店ばかりです。その上「コンクリート=寒い」「木=暖かい」というイメージを抱く方が多いため、「コンクリート住宅=早死にする」という説が浸透しやすかったのかもしれません。
35年前の実験では、コンクリートの箱に入れられたマウスの生存率は低いものでした。同様に、断熱材もない一昔前のコンクリート住宅は外気温の影響を受けやすく、「夏暑く冬寒い」住みにくい環境だったでしょう。ですが、現代のRC住宅では、壁にも床にも天井にも断熱材や仕上げ材を施す上、気密性や蓄熱性などコンクリートの特性を活かした家づくりを行っており、快適性が格段に向上しています。
何より、昔より甚大な自然災害が増加している日本では、耐震性や防火性の高い堅牢なRC住宅こそが、「長生きできる住まい」と言えるのではないでしょうか。
ここまでお伝えしたとおり、コンクリート住宅に住んでいるからといって、必ずしも早死にするわけではありません。木造などと比べても耐震性、気密性、耐久性と様々な面で優れており、快適性に優れていると言っても過言ではありません。ここからは、RC住宅に住めば長生きできる理由を解説します。
「コンクリート住宅は9年早死にする」という言葉、非常にセンセーショナルで、印象に残りますよね。実際、この説のもとになった実験や主張を拝見すると、決して的外れだとは思いません。ただ、35年以上前の実験だとデータとして非常に古いですし、実際当時建てられたコンクリート住宅よりも現代は格段に進化しています。一概に「早死にする」とは言えないのではないでしょうか。
実験が行われた1980年代やそれ以前は、人口が爆発的に増えて核家族化も進み、スピーディーな家づくりが求められた時代。木造で一つずつ丁寧に造る時間はなかったため、高層階のマンションや市営住宅や県営住宅などがコンクリートでどんどん造られました。スピード重視ですから、必ずしも十分な性能を備えていたわけではありません。
これはコンクリートという素材そものもより、技術面の問題です。当時から断熱性や気密性、換気や日当たりなどに配慮した、今のような家づくりをしていれば、「9年早く死ぬ」なんてデータは出てこなかったと思います。
現代のRC住宅は、しっかり断熱材を施し、外気温に影響されない快適な住まいとなっています。「今、RC造のマンションに住んでいる方が木造住宅に住んでいる方より9年早く亡くなっているか?」と調べたら、決してそんなことはないと思いますよ。
元々コンクリートは、他の素材よりも高い蓄熱性を持っています。蓄熱性というのは、言い換えれば「暖まりにくく冷めにくい」という性質です。暖房をかけると、暖まるまで少し時間がかかりますが、一度暖まると、時間が経っても冷めにくくなっています。逆に冷房では、冷えるまで少し時間がかかりますが、冷房を切っても室温が急に上昇することはありません。
居室間の温度差で血圧が急変動し、体に大きな負担を与えるヒートショックは、冬場における室内での死因の一つとなっています。日本のほとんどの住宅では、リビングと廊下、水廻り部分とで温度差があります。このため、熱いお湯に浸かったあとに寒い脱衣所に出る、あるいは寒い浴室でいきなり熱いお湯に浸かることによって、ヒートショックを起こすことがあるのです。
きちんと施工されたRC住宅なら、室内の温度が一定で部屋ごとの温度差が少ないので、ヒートショックのリスクを減らすことができます。また、気密性が非常に高いので、外気温の影響を受けにくく、長時間同じ温度を保つことができるのです。
コンクリートは熱伝導率や蓄熱性が高いので、デザイン重視で何の対策もせずに打ちっ放しにすると、外気温に影響されて「夏暑く、冬寒い」住まいになりがちです。 ですから、外側を断熱材ですっぽり覆う「外断熱構造」がおすすめです。 躯体が断熱材で覆われているため、外気の影響を受けにくく、いつでもどこでも屋内温度が一定で「夏涼しく冬暖かい」暮らしやすい住まいを実現することができます。
また、RCで住まいを造るメリットは、地震や台風に負けない構造の強さだと思います。阪神淡路大震災でも被害件数が少なくその耐震性は証明されています。
どうしても木の温もりや心地よさを重視したい方は、RCで構造を造り、内装材に木材を取り入れるのが良いでしょう。「コンクリート対木造」ではなく「コンクリートと木造の良さを共存させる」のが長生きできる家づくりの秘訣ではないでしょうか。
引用元HP:サンオリエント公式
https://www.sunorient.com/
岡山県倉敷市を拠点に、住まいのコンサルティングから施工まで一貫して行っている建築会社です。2003年の創業以来、1,200件以上(※)の施工実績を構築。住宅、マンション、商業施設・公共施設などさまざまな建物建築で培った高い技術とノウハウに定評があります。
住まいづくりでは、RC住宅を中心に木造住宅や「RC+木造」のハイブリッド住宅などを提案。無理な営業はせず、綿密なヒアリングを行った上で「家族がこれからも安心して暮らすための家」を一緒に造ってくれます。
RC住宅には高額なイメージがありますが、サンオリエントでは、予算に応じて柔軟に対応。土地探しから設計・施工、子供に優しい健康自然建材の使用、アフターメンテナンスまで、丁寧に行ってくれます。
※参照元:サンオリエント(2021年10月6日調査時点)(https://www.sunorient.com)
株式会社サンオリエントの代表取締役。大手建築会社で現場監督や施工管理などを担当した後、2003年に同社を設立。マンションや病院などの設計・施工した経験をもとにRC住宅を手掛け、高性能で快適性に 優れた住まいを提供している。一級建築士・一級建築施工管理技士・一級土木施工管理技士・宅地建物取引士。
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